企画を考えるにあたり、まずわたしたちは、ライオン社員の方々と、ライオンのパートナーの方々が、日々の業務の中で感じること、社会人として思うこと、さまざまな想いがあっても、打合せの短い時間のみでは共有しきれないということに着目。そこで、ペットボトルのキャップを捨てるという普段の何気ない行動を通して、自分の想いを反映できる仕組みを開発しました。さらに同様の仕組みを、社外パートナー向けの、ゲストカード返却ボックスにも応用。そうすることで社内外の想いを比較、お互いの認識の違いや意外な共通点という気づきが生まれ、新しい関係やきっかけにつなぐことが可能になりました。
仕組みとしては、まず社内の執務エリア・ゴミ収集スペースにペットボトルキャップ回収箱、1階受付に来客カード返却箱、さらに1階ロビーにモニターを設置。ペットボトルキャップ回収箱、来客カード返却箱には、2択で回答できる質問が表示されており、自分の想いや考えに近い方の回答を選んで、キャップやゲストカードをいれることで自分の意見が反映されます。それらの回答はそれぞれ、ライオン社員の想い、ライオン株式会社のパートナーの想いとして集計され、結果を1階ロビーで双方を比較した上でビジュアライズ。お互いの想いが一つの画面で可視化されることによって、社内と社外の意見の対比を楽しんだり、打合せでのアイスブレイクの話題に使うことができます。
ロビーのサイネージでは合計6個の質問と集計結果がループで表示されています。ビジュアライズのモーションはすべてプログラミングで実装。空気の中に生まれる想いの塊、というモチーフに寄り添ったモーションを細かい演出や秒数にまでこだわって実装しました。また、質問に対する選択肢が持つカラーの組み合わせのロジックは、表示した時の見栄えの美しさを考え、検証を重ねた上で決定しました。
各プロダクトは既存の環境やインテリアにも馴染み、かつ、企業としての品も加味したデザインを考案。シンプルかつエレガントな質感を持たせるために使用する素材にこだわりました。また、実際に使う人以外にも会社の警備の方や、受付の方、清掃の方など多数の方が関わるものになるので、使う人が親しみやすく、管理する人が扱いやすくするためにUXにも配慮した設計を吟味し、長く運用できるようなプロダクトを開発しました。
今後は社内外からも質問を募集し、こんな意見を聞きたいという声を集めながら、社員の想いやパートナーの想いとして蓄積し、ライオン株式会社の資産として保持。集まったデータは調査会社等に販売し、その売り上げを海のペットボトル回収活動を行っている団体に寄付するなど、社会貢献活動支援に役立てていく予定です。